このページでは、水抜き剤の効果、必要性、悪影響などについて説明します。
ガソリンタンクには水がたまる?
皆さんは、ガソリンスタンドなどで水抜き剤を勧められたことはありませんか?
ガソリンタンクに溜まっている水を抜いて、サビの防止になりますよー。といったセールストークで勧められることが多いですね。
そもそも、ガソリンタンクにはガソリンしか入れていないハズなのに、どうして水がたまるのでしょうか。
ガソリンタンクに水がたまる最大の要因は、結露です。
結露とは、外と中の空気の温度差によって発生する水分のことで、住宅の窓ガラスの内側などでもよく見られますね。
コレと同じ現象がガソリンタンクの中でも発生してしまうことがあるのです。
そして、水は油よりも重くて混ざりませんから、ガソリンタンクの底の方にどんどんたまっていく。というわけです。
水抜き剤の効果
水抜き剤とは、ガソリンタンクの底にたまった水を抜くためのもので、ガソリンタンクにガソリンと一緒に投入します。
1本数百円で、ガソリンスタンドやカー用品店などで販売されています。
水抜き剤を入れると、ガソリンの成分である油と底にたまっている水を一緒に混ぜ合わせてエンジンに噴射し、燃やして(蒸発)しまいます。
水なんてエンジンに送って大丈夫かと思うかもしれませんが、通常、ガソリンタンクにたまっている水はガソリンに比べてごく微量なので、問題ありません。
水抜き剤の成分
水抜き剤の主な成分は、イソプロピルアルコールです。
アルコールは、水にもガソリンにも溶けるという特徴を持っているので、水とガソリンを混ぜ合わせる効果を持っており、水を除去することができる。ということですね。
また、アルコールは可燃性なので、エンジン内で燃えてなくなります。
水抜き剤は必要なのか
さて、皆さんが一番気になる、水抜き剤は必要なのか。という点ですが、結論から言うと、別に入れなくても問題ありません。
確かに、結露が発生してガソリンタンクの底に水がたまっている可能性があるというのは事実です。
ただし、最近の車のガソリンタンクがその程度の水で腐食して穴が空いたりするということは考えられませんし、そもそも最近の車は樹脂製のタンクが採用されていることも多いです。
というわけで、特に水抜き剤を入れなくても車に不具合が発生することはありません。
水がたまらないようするために
先ほども紹介したように、ガソリンタンクに水がたまる原因は、結露です。
結露は、タンク内の空気とタンク外の空気の温度差によって発生します。
ということは、そもそもタンク内にある空気を出来る限り少ない状態を保つことができれば、結露も発生しにくいということになります。
常にタンク内がガソリンで満たされていて空気が少ない状態を作ってあげれば、発生する水分を抑えることができます。
なお、間違えてガソリンタンクに水を入れてしまった!という場合は、水抜き剤で抜こうとするのではなく、ガソリンタンクの底から抜いてもらいましょう。
水抜き剤を使うと、大量の水がエンジンに流れて不具合の原因になります。
水抜き剤を勧められないように
水抜き剤を入れた後は、給油口のフタの裏に水抜き剤を入れた日時を書いたシールを貼られることが多いです。
ガソリンスタンドの店員は、そのシールを見て、「この人は水抜き剤を入れる人なんだな。」と判断して、水抜き剤を勧める目印にしていることが多いです。
水抜き剤を入れたくないのに毎回毎回勧められてうっとうしい!という人は、給油口の裏をチェックして、シールが貼ってあったら剥がしましょう。
また、セルフのスタンドを利用するのも良いですね。
水抜き剤の悪影響は?
上でも説明したように、水抜き剤の主な成分はアルコールです。
アルコールは、ゴムでできたパッキンなどを劣化させてしまうという効果(副作用)があります。
ですから、水抜き剤を頻繁に入れすぎると、逆にパーツを劣化させてしまう恐れがあります。
ガソリンスタンドで勧められるたびに、断りきれずに入れてしまうことはおすすめできません。